1ホールを作り直すまで|コース設計と改修の裏側、良いホールの条件

「あのホール、前と違いますね」とお客様から言われることがあります。パークゴルフ場のコースは、作ったら終わりではありません。傷みが進んだり、遊び方に合わなくなったりすると、1ホールだけ作り直すことがあります。その裏側をご紹介します。

改修が必要になる理由

きっかけ どういう状態か
同じ場所ばかり傷む 狙い所が1点に集まり、そこだけ芝が育たなくなる
水が抜けない 雨のあと水たまりが残り、数日使えないホールになる
易しすぎる/難しすぎる 全員が同じ打数になる、または全員が崩れる
安全上の懸念 打球が隣のホールや通路に飛びやすい配置になっている
利用者層の変化 ご年配の方が増え、上り坂が負担になってきた

1ホールを作り直すまでの流れ

① まず1シーズン、記録を取る

思い込みで作り直すと失敗します。そのホールで何打かかっているか、どこにボールが集まるかを一年分見ます。芝の傷み方は、そのまま「人がどこを狙っているか」の記録になっています。

② 図面に起こして、複数案を作る

カップの位置、ティーの位置、傾斜の付け方。3案くらい作って、それぞれの想定打数を書き出します。上手い人だけが楽しめる案は採用しません。

③ オフシーズンか、閑散期に工事する

土を動かし、整地し、芝を張る。芝が根付くまでに数か月かかるため、積雪地なら冬季クローズ中、温暖地なら利用の少ない時期を選びます。1ホール使えない期間ができるので、案内の掲示も準備します。

④ 開放後も、しばらく様子を見る

狙い通りになるとは限りません。実際に回っていただいて、想定より難しければカップ位置を調整します。完成は開放した日ではなく、1シーズン回ってからという感覚です。

💡 良いホールの条件は「複数の攻め方がある」

設計で目指しているのは、難しさではありません。「まっすぐ刻む」「一気に狙う」のどちらでも成立する——この状態が理想です。刻めば安全に3打、狙えば2打も可能だがリスクもある。こうすると、経験者にも初めての方にも、それぞれの楽しみ方が残ります。逆に正解が1つしかないホールは、すぐ飽きられます。

改修のあとに起きること

  • 常連さんのスコアが一時的に崩れる——読みの蓄積がリセットされます。これは想定内です
  • 新しい狙い所ができる——傷む場所も変わるので、整備計画も組み替えます
  • 感想をいただける——「前より面白い」「前のほうが良かった」両方いただきます
  • 芝が落ち着くまで転がりが違う——新しい芝は根が浅く、1年ほどで安定します

⚠️ 工事中のご不便について

改修中は17ホールでの営業になったり、迂回してお回りいただくことがあります。料金を調整するコースもあります。ご案内は掲示と公式サイトで出しますが、来場前にお電話いただければ、その日の状況を正確にお伝えできます。ご不便をおかけしますが、数か月後のコンディションのための工事だとご理解いただけると助かります。

まとめ

1ホールの改修は、1シーズンの記録から始まり、複数案を検討し、閑散期に工事して、開放後も1年かけて調整します。目指しているのは難しさではなく、複数の攻め方が残る形です。「前と違いますね」と言われたら、たいていその裏に2〜3年分の検討があります。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


目次